こころのねっこ 16
事故で肢体不自由になった40歳代の中途障害者のエッセイの16回目の投稿です。
こころのねっこ 「休業願い」
先月は自分の健康管理ミスで体調を崩し、極めつけに入院・・・。3年前、事故をして救急で運ばれICUで過ごしたアタシにとっての「激動のとき」を再び同じ病院のベッドの上で迎える事となっちゃいました。1週間寝たきりの生活をしていたら、すっかり痩せこけ車イスに座っている事すらシンドクなる・・・。体力まで3年前に戻っちゃったのか〜と一瞬ゾ〜っとする。
歩いて退院できず・・・先が全然見えず手放しで喜べなかったあの頃を思い出し、キュンとする。 今回のアタシは退院が嬉しい。アタシの空間に戻れること、そして気を許せ、かゆいところに手が届く人たちの支援のもとアタシの時間が確保されているのだ。
〈立つ・歩く〉なんて大きな目標以前に〈健康な車イス人〉になろう!と真剣に思った。
退院後、今迄以上に気ままに生活をしていたら、また(?)肩の力が抜けたみたく・・・。
ちょっと違った場所から自分を見るようになった。
娘の成績は目も当てられないほどだ。だらしがないし・・文句を言い始めたらキリがない。でも、部活(吹奏楽)にはキッチリ出席し、最近は演奏会があると声をかけてくれる。親バカだが毎回彼女の成長ぶりにウルウルし、「まっ、勉強ぐらい大して出来なくっても良いか〜」なんて誤魔化されている。ついでに、絵もうまい・・・。
例の息子も自分で決めて入ったバスケに勤しんでいる。ゲーム三昧の週末は部活に費やされ、先日は友達同士で映画に出掛けた。アタシ譲りで口が達者、あー言えばこう言うでうるさいが無口な夫よりもテンポの良い会話を楽しめるようになった。
もちろん、これから先も気は抜けないがひと段落ついた感じ、(出来ばえは別として)二人とも確実に成長して、アタシは幸せだ。
今迄、突然障害を負った自分・そして家族を可哀そうだと思ってきた。それをウリにして寄稿してきたような気がしている。世の中にはもっといろんな意味でシンドイ状況の人もいて・・でもそれを抱えながらも颯爽と生きている人もいる。逆に(怪我する前のアタシみたいに)充分満たされた日々にも難癖つける人もいる。〈幸せをはかるモノサシ〉は各々違うが、きっと短いほうが良いんだろうな〜と思う今日この頃・・・。
話が脱線しっちゃったけど、次へのステップの為か・・・現状の地固めの為か・・・暫くお休みさせて下さい。うまく言い表せないんだけれど、アタシが行動するコトに〈障害〉という付加価値をつけたりしたくないっていう感じです。
また、自然にお話しできる時がきたら寄稿します。 今迄お付き合い頂き有難うございました。
※ 前回少しお話しした〈4本足の毛むくじゃら〉は、アタシのパートナーの介助犬・クロスです。まだまだ息があわず、堂々と公の場へデビューしていないのですがいつか大きな犬と共に歩く妙齢の女性を見たら・・・アタシだと見守って下さい。